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(Jul.21.1995)

21世紀の日本の文明史的課題

National Flag of Japan



 西欧キリスト教世界は確かにすぐれた文明を生み出した。この20世紀,西洋文明は世界中に行き渡り,完全に世界を制覇したと言えないまでも,至る所で受容され,承認され,推し進められて,今やほとんど支配的であることは誰も否定できない。

 だから,ここ数世紀に渡り,非西欧圏の人々は,経済的繁栄,高度な技術力,軍事力,政治的団結力などの面で西欧を羨望の眼差しで見つめてきた。彼らは西欧社会の成功の秘訣は西欧の価値観や社会制度にあると考え,見習おうとしてきたのである。

 しかし,今日,東アジア諸国の人々は,劇的な経済的発展を遂げたことで,自分達の非西欧的な価値観に対する優越を主張するようになった。これはある面,それまで抱き続けてきたコンプレックスの裏返しなのかもしれない。

 日本文明は,アジア文明のいい面を受け継ぎつつ,西欧文明をもしっかりと取り込んできた。そうすることによって,軍事力を除けば,アジアから羨望されている西欧の文明と同レベルあるいはそれ以上のものをうることができたのである。

 「脱亜入欧」などという言葉とともに,アジアとも西欧ともつかない不思議な位置に立ってしまった日本にとって,これから両者の関係をどう保っていくかがより重要となってくるだろう。ヘタをすれば,西欧ともアジアとも永遠に友人となれないような事態に陥ることだって有り得るのだ。



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